今回の公演では、復曲の「巴園」と
新作の「蛙ヶ沼」の2曲を上演いたします。
いつもの能とは少し違った趣のテーマや
仕掛けをお楽しみ頂ける曲目です。
能は、人々の生きる喜びと共に人間とは、
を問いかける演劇です。
是非とも両曲を見比べながら御覧頂きたいと思います。
能は700年の歴史の間に約2000曲余りの作品が創られてきましたが、現在、能の公演で演じられている多くは「現行曲」と呼ばれているもので、その中の約250曲です。
一方、その他の作品は「廃曲」といい、現在上演されていない能を指します。
この「廃曲」を復活上演することが「復曲」です。
数多の作品が廃曲になった理由は定かではありませんが、これら廃曲の中には、とても面白く、現代に訴える力のある能も含まれています。
これらの曲を復曲上演することはとても意義あることですが、それには大変な時間と労力を要します。
新作能は新しく書き下ろされた能です。
復曲の場合は台本(詞章)がある程度残っていますが、新作は台本作りから始まります。曲によって色々と違いがありますが、上演までには相当な過程を経ねばなりません。
そして初演された復曲も、新作もその後の再演がとても大事なことです。
何度も舞台に掛けられ、又違う演者が演じ、様々な意見や批評が出て、見直しが行われ、それによって作品が練られていくのです。
「鷹姫」という新作能は50年程前に初演され、その後色々な演者によって何度も演じられ、色々違う演じ方も試みられ、今では新作の代表として人気を博しております。
今回の公演は、その大事な再演の役目を担った公演です。
「巴園」は2006年に大阪にて初演、その後2013年に横浜で再演。「蛙ヶ沼」は1999年に大阪にて初演、同年に東京で再演されました。
今回の再上演は更なる検討を加えての上演です。是非とも皆様のご意見、ご感想をお願い申し上げます。
シテ方観世流能楽師。1942年生大阪府出身。祖父十三、父秀夫および、観世寿夫、八世観世銕之丞に師事。
1947年「鞍馬天狗」にて初舞台、1998年「檜垣」、2007年「関寺小町」、2012年「姨捨」にて三老女を完演する。
また多くの復曲能、新作能にも積極的に携わる。
主な受賞:松尾芸術賞優秀賞(1996)、読売演劇大賞男優賞(1997)、芸術選奨文部大臣賞(2000)、紫綬褒章(2002)、旭日小綬章(2013)、日本学賞(2015)、重要無形文化財保持者各個認定(人間国宝2016)、日本芸術院賞受賞(2017)、文化功労者選出(2018)。
役職:公益社団法人能楽協会大阪支部相談役、大阪能楽養成会副会長、公益財団法人文楽協会評議員、大阪文化芸能国民健康保険組合理事長、大阪観光大使、公益財団法人大槻能楽堂理事長。
〒540-0005 大阪府大阪市中央区上町A7
大槻能楽堂について 改修工事について
◎チケットの発売(9月20日 10時〜)
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◎大槻能楽堂 事務局
TEL:06-6761-8055(11:00~16:00不定休)