正尊 ― しょうぞん ―

  • 作者 観世小次郎長俊
  • 素材 『平家物語』巻十二
  • 場所 京都 堀川御所(現・京都市下京区醒ヶ井通揚梅付近)
  • 時 文治元年九月
  • 演能時間 約1時間
  • 分類 4番目 現在物

■登場人物

前シテ・・土佐坊正尊

面:直面
装束:角帽子(沙門)、無紅厚板、白大口、白縷水衣、小刀、山伏扇、文

後シテ・・土佐坊正尊

面:直面
装束:袈裟頭巾、無紅段厚板、半切、法被金緞襷、小刀、長刀

ツレ・・源義経

面:直面
装束:風折烏帽子、紅入厚板、白大口、長絹、小刀、太刀、男扇

子方・・静御前

面:直面
装束:摺箔、緋大口、紅入唐織、童扇  後に太刀

ツレ・・江田源三

面:直面
装束:士烏帽子、紅入厚板、白大口、掛直垂、小刀、男扇 後に白鉢巻、太刀

ツレ・・熊井太郎

面:直面
装束:士烏帽子・紅入厚板、白大口、掛直垂、小刀、男扇 後に白鉢巻、太刀、縄

後ツレ・・姉和光景

面:直面
装束:白鉢巻・紅入厚板、半切、法被、太刀

後ツレ・・正尊の郎等

面:直面
装束:白鉢巻、紅入厚板、白大口、側次・太刀

ワキ・・武蔵坊辨慶

装束:兜巾、厚板、白大口、 水衣、篠懸、小刀、山伏扇、刺高数珠 
後に 金入角帽子(沙門)、法被、襷、長刀

アイ・・召使の女

装束:美男かずら、縫箔

■あらすじ

梶原景時の讒言により義経の忠誠心に疑いを抱いた頼朝は義経を殺害する為に土佐坊正尊を都へ差し向けた。義経と弁慶から上洛の目的を詰問された正尊は熊野参詣の為と説明し、起請文を書いて読み上げ、その場を免れる。その夜、正尊は軍勢を整えて義経を討つべく、堀川の義経邸へ攻め入るが、義経勢に迎え討たれて、捕らえられる。

■舞台展開

  1. 義経、静、江田、熊井が位置につく。
  2. 弁慶(ワキ)の登場。正尊が義経を狙う為に鎌倉より都へ上ってきたと聞いた義経から「急いで召し連れて参れ」との御諚があり、正尊の旅宿へ行く旨を述べる。
  3. 正尊(シテ)の登場。弁慶から上洛の理由を聞かれた正尊は、熊野参詣の為に来たと言う。弁慶は正尊に是非を言わせず連れて行く。
  4. 義経(ツレ)に弁慶が正尊を連れて来たことを告げる。正尊は義経と弁慶から詰問される。身の潔白を示す為、その場で起請文を書いて読み上げる。
  5. もとより虚言と思うのだが、義経は正尊の文才に感心し、酒を勧め、静にお酌をさし、舞を舞わせる。
  6. 正尊は静から義経の忠誠心を頼朝に伝えるようにと言われ、帰って行く。
  7. 弁慶は召使の女(アイ)を呼び、正尊の様子を見に行かせる。正尊が夜襲の準備をしていることを聞きつけた女は弁慶に報告する。
  8. 弁慶から事の次第を聞いた義経は夜襲に備え身支度をする。
  9. 正尊が長刀を携え頭巾を着して姉和光景(ツレ)をはじめ郎等(ツレ)数人を従えてやって来る。義経の勢も正尊を討ち取ろうと、江田源三(ツレ)・熊井太郎(ツレ)・弁慶が太刀を抜いて構える。正尊の郎等は義経勢に斬られていく。
  10. 弁慶と姉和光景の戦い。弁慶が正尊に向かうが姉和が太刀を抜いて向かってきてしばらく斬り合うが、幹竹割に二つに斬られる。
  11. 正尊と義経・弁慶の戦い。長刀を手にした正尊に、義経と静が太刀を抜いて渡り合い、弁慶が長刀で応戦する。両人は長刀を捨て組み合い、弁慶が正尊を下へ押し付ける。正尊は郎等によって縄を打ち掛けられて連れて行かれる。

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曲目解説