一角仙人 ― いっかくせんにん ―

  • 作者 金春禅鳳
  • 場所 天竺波羅奈国(インド中部)

■登場人物

シテ・・・一角仙人
面:一角仙人
装束:黒頭、無紅厚板、縷水衣、緞子腰帯、葉蓑、剣、葉団扇
前ツレ・・・旋陀夫人
面:小面
装束:天冠、摺箔、緋大口、紅入縫入腰帯、紅入唐織、唐團扇
後ツレ・・・龍神
面:黒髭
装束:赤頭、輪冠、龍戴、紅入厚板、半切、法被、繍紋腰帯、剣
ワキ・・・官人
装束:紅入厚板、白大口、法被、繍紋腰帯、剣、男扇
ワキツレ・・・輿舁
装束:紅入厚板、白大口、繍紋腰帯、輿

■あらすじ

鹿の胎内より生まれ、一本の角を持つ仙人は、一角仙人と呼ばれた。勢力を争いの末、龍神たちを岩屋へ封じ込めてしまった。それにより天竺波羅奈国では雨が降らなくなったため、困った帝は策を練り、仙人の神通力を奪おうと、美しい旋陀夫人を仙人の元へやった。

道に迷った旅人として仙人の元へやってきた官人と旋陀夫人は、まんまと仙人に酒を飲ませ、酔いつぶして神通力を奪う。すると岩屋が鳴動し、封じ込められていた龍神たちが飛び出した。驚いて目を覚ました一角仙人は、龍神を制しようとするが、叶わず倒れ伏す。龍神は嵐を起こし、その中を飛び去って行った。

■舞台展開

  1. ワキ(随行の宮人)の登場
    天竺波羅奈国の帝に仕える官人。鹿の胎内から生まれた一角仙人が、龍神を神通力で岩屋に閉じこめたので数ヵ月雨が降っていないこと、それを歎いた帝が、旋陀夫人という美人を使い、心惑わし、神通力を奪う算段をし、夫人とともに仙人の元へ向かっていることを告げる。
  2. ツレ(旋陀夫人)との道中
    旋陀夫人と一角仙人の元へ向かう官人は、どこともわからぬ山路に分け入り、庵を見つける。もしやここが仙人の住み家か、と様子を伺っていると、一角仙人が姿を見せる。
  3. シテ(一角仙人)の登場とワキとの対話
    「山路に迷った旅人だが、一晩宿を借りたい」と告げる官人たちを怪しく思いながらも、姿を現す。
  4. シテとワキの対話
    美しい旋陀夫人を見て、ただの旅人ではないだろうと不審がる一角仙人に、酒を勧める官人。酒は飲まぬと固辞する仙人のそばへ夫人を酌にやると、これを断っては…と酌を受ける。
  5. 酒宴
    酒が進み、夫人の舞のまねごとなどをしていた一角仙人だが、やがて酔い伏してしまう。それを見て夫人は都へ帰って行った。
  6. ツレ(龍神)の登場
    岩屋の内が鳴動し、封じ込められていた龍神が飛び出した。慌てた一角仙人は通力で再び封じ込めようとするが、すでに通力は失せ、次第に弱り倒れ伏す。龍神は喜び雲を穿ち嵐を呼び、やがて龍宮へと帰っていった。

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曲目解説