阿漕 ― あこぎ ―

  • 作者 不明
  • 素材 『古今六帖』『源平盛衰記』等
  • 場所 伊勢・阿漕ヶ浦(三重県津市)
  • 季節 秋
  • 演能時間 約1時間10分
  • 分類 執心男物 太鼓物

■登場人物

前シテ・・・漁翁・阿漕の化身

面:笑尉/三光尉の類
装束:無地熨斗目水衣
持物:釣棹

後シテ・・・阿漕の亡霊

面:痩男/河津の類、黒頭
装束:無地熨斗目・白水衣・腰蓑
持物:四手網

ワキ・・・日向国の男

装束:段熨斗目・素襖 又は、着流僧

アイ・・・浦人 

装束:狂言裃

■あらすじ

九州(宮崎県)日向から伊勢参拝の旅路に出た男が、伊勢(三重県)阿漕ヶ浦で年老いた 漁師に出会う。この浦を読んだ古歌を読みあい、この地の謂れを尋ねると、昔から太神宮 に供える魚を捕る所なので一般には禁漁となっていたが、阿漕という漁師が密漁して捕ら えられ罰として沖に沈められ死後もなお苦しんでいる、菩提を弔ってほしい、と語り、舟を 漕ぎ出し網を手繰る様を見せ、やがて闇に失せていった。 不思議に思って浦人に故事を聞き老人の話をすると、それは阿漕の亡霊に違いないと回向 する事をすすめられる。法華経を読誦していると阿漕の亡霊が四手網を手に現れ、密漁の 有様と地獄の苦しみを見せるが、再び救いを求めながら波間へと姿を消す。

■みどころ

人間の罪業を深々と描いた作品。 前半は、クセで阿漕ヶ浦の謂れ、地獄の責苦を語る場と釣竿での所作。 四手網で魚を追込む有様をみせる<立廻り>は後半の見所。

■ワンポイントアドバイス 

<三卑賤> 『鵜飼』『善知鳥』『阿漕』 殺生を業とする漁師の執心を扱った3曲。

■小書

各流儀ともなし。

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曲目解説