大槻能楽堂 改修工事大槻能楽堂 改修工事

趣意

伝統を次世代へ繋ぐ ─ 大槻能楽堂

 平素より格別のご厚情ならびにご支援を賜り、誠にありがたく、心より御礼申し上げます。
 能楽は、700年にもおよぶ長い間、演じ継がれて参りました。能の描く世界は、人間の生きる喜び、苦しみ、恋、愛、恨み、親と子、生と死など、人間そのものを物語ります。たぐいない価値を有する民衆の伝統的な文化を表現する、この世界に誇る舞台芸術を次世代へ継承するため、私どもは日々努力を重ねております。
 大槻能楽堂は、1935(昭和10)年に大槻十三(祖父)が上町台地に全国初の椅子席の能楽堂として創建し、戦禍も逃れ、大阪で唯一残った能楽堂として、上方の文化向上に寄与して参りました。1983(昭和58)年、大槻秀夫(父)の時代に建物の老朽化と耐震・防火対応のために、全面的な建て替えを行いました。この改築を機により多くの皆さまに能をご覧いただきたいとの思いから、短時間・低料金で気軽にお越しいただける当能楽堂の自主公演能を企画し、現在650回を迎えております。創建以来、約80年間、伝統芸能と市民との出会いの場、能楽師の修練の場として、関西一円の演能の中心的な役割を果たして参りました。また、2014(平成26)年には、能舞台が「登録有形文化財(建造物)」に登録されました。
 先の全面建て替えから35年が経過し、建物の外部・内部共に改修が必要となる程に腐食・損傷などが進みました。そして何より、お客さまに少しでも快適にご覧いただける環境づくりの重要性を感じております。
 大阪で唯一、三間四方の能舞台を持つ大槻能楽堂は、大阪の能楽を継承していく拠点として、後継者である若手が研鑽を積む稽古場として、非常に重要な役割を担っています。第1回世界無形文化遺産に登録された、能楽700年の伝統を守り、後世に引き継いでいくために、大槻能楽堂の改修工事は私どもに課せられた使命と考えております。
 改修工事にあたり、能楽にお心をお寄せいただくすべての方々、市民・法人・団体の皆々さまからのご支援を賜りたく、募金のお願いを申し上げる次第でございます。
 何卒よろしくお願い申し上げます。



公益財団法人大槻能楽堂
理事長大槻文藏